兄弟のようなもの

※大包平×鶯丸





「ねえ、安定」
「え。呼んだ? 清光」
「結局、鶯丸と大包平って兄弟なの?」
「そうなの? 僕、違うんだと思ってたんだけど」
「平安の末に、同じ備前の刀工に打たれたって話だよね」
「じゃあ、兄弟なんだ」
「あー。けど、故郷が一緒ってだけで、確か打ったのは別の刀工だったかな」
「なら、兄弟じゃないのか」
「でも粟田口のメンバーと同じで、戦装束もジャージもお揃いだよね」
「じゃあ、兄弟か」
「でも源氏兄弟は、デザインの統一感はあるけれど、色が白と黒で対称だよね」
「なら、兄弟じゃないのか」
「そうかも……あれ。鶯丸の緑と大包平の赤って、よく考えたら補色じゃない?」
「じゃあ、兄弟か」
「…………」
「…………」
「鶯丸はさあ。大包平のこと、『兄弟かな』って言ってたじゃん」
「言ってたね」
「本当に兄弟だったら、『兄弟だ』って言えばいいでしょ。それを『兄弟かな』っていうのは、厳密には違うってことじゃない?」
「なら、兄弟じゃないのか」
「…………」
「…………」
「……あ」
「鶯丸と大包平だ」
「今日は、畑当番だったっけ」
「終わったところかな」
「ね」
「畑以外の任務にも言えることだけど、あの二振で組ませるとちょうどいいんだよねえ」
「分かる。仕事完璧にやっちゃう刀と、要点を押さえてほどほどに休める刀だからね」
「持続力のある程々にデキる労働力が一番最高なんだから」
「ホントそれ……ん?」
「なに」
「大包平の後頭部、葉っぱついてない?」
「あ、本当だ。髪の毛に一体化してて気付かなかった」
「鶯丸、絶対分かっててそのままにしてるでしょ」
「そういうところあるよね」
「お?」
「さすがに取った」
「鶯丸が手を伸ばさないと取れないって、どんだけ背が高いワケ?」
「本当に太刀なのかって話」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……何だろうなあ」
「何だろうねえ」
「特にいちゃついてるわけじゃない、んだけど」
「入り込めない。あの空気」
「空気っていうか、テンポ?」
「世界観?」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……ねえ、そのトップコートの蓋取って」
「自分でやれ」








20240613